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季刊誌「ムラマツ」に掲載されたエッセイをご紹介いたします。
トップページエッセイ「フルートで料理」 > 25.調味料
エッセイ「フルートで料理」 ESSAY
文:齋藤賀雄(元読売日本交響楽団フルート奏者 東京音楽大学教授)
画:おおのまもる(元読売日本交響楽団オーボエ奏者)
25 「調味料」
 今でこそ調味料売り場の棚には、使ったことのないものまで含めて、数多くの調味料がずらりと並んでいるが、一昔前には考えられない光景だった。料理の種類が少なかったこともあって、各家庭の台所には、塩、味噌、醤油、酢くらいがあれば充分だった。

 朝は、納豆に味噌汁、昼は、うどん、夜は、せいぜい焼魚や菜っ葉のお浸しが付いて、さらに毎食、糠味噌漬を食卓に並べたとしても、他にどんな調昧料が入り用だったのだろうか? 小さな卓袱台を5人家族で囲んでも、お皿は十分に並べることができた。

 朝は、時間が惜しいからといってパン食が主流となり、昼は、外食産業に頼ったとしても、夜に、西洋風料理あり中華風料理あり、さらに自家製創作料理ありとなってくると、知らない間に、各家庭の台所の調味料棚は様々な調味料でひしめき合っている。

 蓋が開かなくなってしまったり、中が固まってしまったり、何かの時に使って、その後まったく日の目を見ないまま優に数年は経ってしまった調味料が、順番に棚の端に追いやられているという様は、料理のためというよりも、唯単に蒐集だったのかも知れない。

 いい食材を手に入れる努カさえ惜しまなければ、余計な調味料は逆に要らないような気がする。いい食材にはその食材自体の旨味があるのだから、その食材の本来の味を楽しむようにすればいいのだ。その分、昔からあった数少ない調味料だけには拘りを持ちたい。


 ところで、今でこそCD売り場の棚には、知らない曲まで含めて、数多くのCDがずらりと並んでいるが、一昔前には考えられない光景だった。音源の種類が少なかったこともあって、各家庭に手巻きの蓄音機や電気蓄音機などがあればいい方だった。

 クラシックの名演奏家の演奏はビクターの赤盤と決まっていて、竹針を削っては、SP盤がすり滅るのを気にしながら何度も聴いたのだが、その曲を他にどんな演奏家が録音していたのだろうか? 小さな蓄音機の発条(ぜんまい)を巻いては、その1枚で十分に満足していた。

 SP盤はやがてLP盤となり、そのLP盤もいつの頃からかCDに移行してしまった。持ち運びが簡単なCDの再生装置が開発されてCDの手軽さが世の中に浸透してくると、知らない間に、各家庭のCDの棚は様々なCDでひしめき合っている。

 封を切っていなかったり、中がカビていたり、何かのときに買って、その後まったく日の目を見ないまま優に数年は経ってしまったCDが、順番に棚の端の方に追いやられているという様は、音楽を聴くためというよりも、唯単に蒐集だったのかも知れない。

 いい演奏を手に入れる努力さえ惜しまなげれば、余計なCDは逆に要らないような気がする。いい音楽にはその音楽自体の昧があるのだから、その音楽の本来の味を楽しむようにすればいいのだ。その分、昔から棚にあった数少ない音源だけには拘りを持ちたい。
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