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季刊誌「ムラマツ」に掲載されたエッセイをご紹介いたします。
トップページエッセイ「フルートで料理」 > 26.器
エッセイ「フルートで料理」 ESSAY
文:齋藤賀雄(元読売日本交響楽団フルート奏者 東京音楽大学教授)
画:おおのまもる(元読売日本交響楽団オーボエ奏者)
26 「器」
 料理に器が大切なことは重々承知しているつもりだが、 「あそこの料理は、どうだった?」 と尋ねたときに、開口一番、 「すごくいい器を使っていた」 と聞かされて、それ以上どうしても話を続ける気にならなくなってしまったことがあった。

 料理人が献立を考えるときに、その料理を盛りつける器も同時に考えていることは当然だろうと思うが、主役は、あくまでも料理であり、料理の味であることは確かだ。器がそんなに高級なものでなくても、料理を引き立てるものであれば、それで良い。

 自慢の料理を盛りつけるために、器を特注して調達する店もあるとは聞くが、そんな店に出掛けると、器の代金を払わされているような気がしてならない。確かに、器はその場の雰囲気を盛り上げてくれるが、料理そのものや味には関係がないと思う。

 料理人の拘りは、勿論、料理することだけではなく、器や盛つけにまで及ぶことは事実だが、要は、全体の調和であろう。料理を口で楽しみ、目でも楽しむというのもよく分かるが、全体の調和がとれていないと、客としては、何となく不満が残る。

 料理を食べ終ると、そこには器だけが残るのだが、口に残ったその料理の余韻を、その器が、さらに楽しませてくれるとき、その器と料理との調和を感じる。決して主張をし過ぎない、いい器に出会ったときには嬉しい。


 ところで、演奏に楽器が大切なことは重々承知しているつもりだが、 「あの演奏会は、どうだった?」 と尋ねたときに、開口一番、 「すごくいい楽器を使っていた」 と聞かされて、それ以上どうしても話を続ける気にならなくなってしまったことがあった。

 演奏家が演奏曲目を考えるときに、その曲を演奏する楽器のことも同時に考えていることは当然だろうと思うが、主役は、あくまでも演奏であり、音楽であることは確かだ。楽器がそんなに高級なものでなくても、演奏を引き立てるものであれば、それで良い。

 自慢の演奏を聴かせるために、特別の楽器を調達する人もいるとは聞くが、そんな演奏会に出掛けると、楽器の代金を払わされているような気がしてならない。確かに、楽器はその会場の雰囲気を盛り上げてくれるが、演奏そのものや音楽には関係がないと思う。

 演奏家の拘りは、勿論、演奏するだけではなく、楽器やその楽器の扱いにまで及ぶことは事実だが、要は、全体の調和であろう。演奏を耳で楽しみ、目でも楽しむというのもよく分かるが、全体の調和がとれていないと、聴衆としては、何となく不満が残る。

 演奏を聴き終ると、その演奏や音楽の余韻が耳や心に残るのだが、そこで演奏された楽器が、その余韻をさらに楽しませてくれるとき、その楽器と演奏との調和を感じる。決して主張をし過ぎない、いい楽器に出会ったときには嬉しい。
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