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季刊誌「ムラマツ」に掲載されたエッセイをご紹介いたします。
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エッセイ「フルートで料理」 ESSAY
文:齋藤賀雄(元読売日本交響楽団フルート奏者 東京音楽大学教授)
画:おおのまもる(元読売日本交響楽団オーボエ奏者)
1 「はじめに」
 昔の男は、何事があっても決して台所に足を踏み入れることはなかったという。台所のことをお勝手と呼ぶのも、その昔、男に対して絶対服従だった女性が唯一自分勝手に振る舞うことのできる場所だったからだということを聞いたことがある。

 ところが、今は違っている。テレビにも男の料理という番組が登場したし、男が料理人を務める料理番組も結構多い。昔と違って、一般家庭では台所に入らない男性の方が少なくなってきたような気がする。
必要に迫られて台所に立つ場合と、全くの趣味として台所に立つ場合と、或はその両方を兼てという具合に、男が台所に立つケースが多くなればなるほど、そこには趣味という範囲を超えて、何かもっと切羽詰まったようなものを感じることが多い。

 こんなことを言うと女性に叱られてしまいそうだが、本来料理という類のものは、女性よりも男性に向いていると思う。車の運転がどうも女性に向いていないような気がするという、あんな感じが何処かにあるのだ。

 自分のことを振り返ってみると、単純に独り暮らしをした時に、飯を食うという行為を全うするために無知で強引な料理が始まった訳で、どちらかと言えば、必要に迫られて始めたものが次第に趣味として生き残ったのである。


 ところで、昔の文献には笛と女性との関わりが数多く取り上げられている。うっかりすると、笛は女性の為のものというような錯覚さえ起こさせるほどだ。圧倒的に男の奏者の方が多かったフルートの世界も、今ではその古代の文献のように女の園と化してきた。

 例えば、ホテルやレストランなどでフルートを吹く仕事は、その殆どが女性で占められている。オーケストラでさえ女性の奏者が増えてきている。そのうちにフルートは女性専用の楽器になってしまうかも知れない。

 今では、フルートで専門の道に進みたいという中学生や高校生達が多くなっているが、少なくとも我々が受験をした頃は、フルートで、しかも男が音楽大学を受験するなんて、本当に特殊だったという記憶がある。

 女性のフルーティスト達に叱られてしまうかも知れないが、昔は、フルート奏者というのは男の仕事だと思っていた。いや、フルート奏者というよりも、職業として音楽するのは男の仕事だと、自分で勝手に決め込んでいたのだ。

 プロの演奏家だからといって、その演奏する行為自体がアマチュアの人達のそれと根本的に異なるということはない。音楽するということは、そこには遊びという要素が多く含まれている。プロもアマも、女性も男性も、気楽に料理を楽しみフルートも愉しみたい。
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