フルートを教わる喜び、フルートを吹く悦びを与えよう
講師 大森義和
フルートを教えるということは、音楽大学でフルートを専攻すれば誰にでも簡単にできると思っている方が多いようです。でも、大勢の多様な生徒さんの 一人一人に対して、適切な対応をし、その人それぞれの「フルートを学ぶ」目的を叶えてあげるという事は、そう簡単なものではありません。一歩間違えば、有能な才能を潰してしまったり、折角フルートを楽しもうとしている人からその楽しみを奪ってしまったりしかねません。それだけに先生の責任は大変 重いものがあります。

音楽大学を卒業して、大なり小なり教えるという仕事をする方が非常に多いにもかかわらず、「教える」ということを教える音楽大学がほとんど無いことは 大変残念なことです。そこで、私の長年の経験を土台にして、さらにムラマツ・フルート・レッスンセンターの協力を得ながら、この講座を開いたところ、 多くの生徒さんに参加していただき、すでに教える仕事に役立てて下さっている方がたくさんいらっしゃる事は、大変嬉しい事です。この講座から、様々な「教える」ことのノウハウを習得していただくことによって、多くの方々に フルートを教わる喜び、フルートを吹く悦びを与えることが出来れば、みなさま方にとっても大きな喜びだと思います。そして、それがフルート教室の運営や経営を成功させることが出来る唯一の方法だと思っております。

さらに、村松楽器の営業と技術部門の責任者で、フルート修理のベテラン技術者でもある、中野重孝さんにフルート調整の実践講座も開いていただきますので、この講座を修了した方は、本当に生徒さんから信頼される立派なフルート指導者になることと思います。
単なる指導者ではなく、「プロ」の指導者になろう!!
学生時代からアルバイトでオーケストラのエキストラに行ったり、スタジオの仕事をしたりして、演奏家の道も考えていたのですが、その当時、「フルートの世界では、教えるプロっていうのはもしかしたら居ないんじゃないかな?」と、考えたことがあるんです。「演奏家になれないから」とか、「プレイヤーでは収入が足りないから、仕方が無くて教えることでもして稼ごうか」という人達がほとんどでした。まあ、それは今でも同じかもしれませんが。でも、それはちょっとおかしいのではないか、と思ったのです。例えば、テニスを例にとって言えば、世界を転戦したり、国内でナンバーワンというようなプレイヤーの他に、それとは全く違って、アマチュアの人達を教える、きちんとした研修を受けて資格を持ったプロがいるでしょう。ところがフルートの場合、もちろんそんな資格はないし、中途半端に教えている場合が多いように思うんです。そうではなくて、アマチュアの人にとって楽しい先生ってどんな先生だろうな、ということを考え始めたところから、僕のこの「プロ・フルート指導者」という発想が生まれたのです。単なる「フルート指導者」ではなくて「プロ」をわざわざ付けたのは、自分は教えるのが専門の先生でsる、というプロフェッショナルとしての自覚のある指導者という意味からです。フルートが飛びきり上手くなくても、教えるのは飛びきり上手いっていう先生もあるのではないか、という考え方で、それ以来25年間教えてきました。運良く、同じようなやり方をしている人が少なかったせいもあると思うのですが、宣伝もせずに口コミでお弟子さんが増えてきました。一時期、多くなり過ぎて大変なこともありましたが、この仕事は他人に頼めるものではありません。自分のキャラクターでやるものですから、如何に自分らしい仕事をしていくかということを考えながらやってきて、今の僕が居るわけです。このやり方を僕が独り占めしてやっていれば、僕自身これからも安泰だと思うのですが、そんなケチなことは考えず、この講座を始めようということになったのです。みなさんも今の内からそういうことを考えてスタートすると、将来世界が開けると思います。
それではこれからそのノウハウをお話ししましょう。
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