結局パリでのタンホイザー上演は失敗に終わり、失意のもとワーグナーはパリを去ることになります。自宅をたたみパリを去るまでの間、ワーグナーはパリ駐在プロイセン公使のもとに身を寄せますが、夜な夜な行われるパーティーでピアノを受け持ったのが25歳のサン=サーンスでした。つまりサン=サーンスは傷ついたワーグナーに最後まで寄り添っていた人物ということになります。