サン=サーンスはまさに着の身着のままパリから逃避したため、ロンドン到着後すぐにお金が尽き、早速ここでどう食いつなぐかといった切実な問題が起こりました。既にロンドンに居る先輩格のグノーに無心するわけにもいかず、様々な伝手を頼りなんとかしのぎます。 パリ脱出が3月18日以降、作曲日が3月25日というスケジュールから推測すると、非常に不安定な状況下で書いた作品ということが分かります。