クルディムに到着したサン=サーンスは、住民から以下のような感動的なスピーチで迎えられます。

今日、王都クルディムの街で盛大な芸術祭が催され、フランス音楽芸術界を代表する音楽家サン=サーンス氏を歓迎し、その作品や演奏を享受できることを大変光栄に思います。文学界や私たちの街、および氏を尊敬するすべての聴衆を代表して、ご来訪いただいたことに感謝いたします。何世紀にもわたって科学と芸術の分野で数々の輝かしい功績を築いてきた偉大なフランスから生まれた、偉大なサン=サーンス氏に敬意を表します。小国の小さな地方の街ではありますが、いまやその芸術への愛と敬意は、隣の大国にも劣らないものであることを、ここに表明させて頂きたく存じます。フランスでもチェコの音楽芸術が温かな歓迎を受け、フランスと私たちの国が一致協力して、国を越えたますます大きな交流へと発展していくことを切に願っております。

このスピーチには、サン=サーンスに対する期待が込められているといえます。