<フルート4重奏曲>
デュボワ(1930-1995) は、パリ音楽院においてダリウス・ミヨーに学び、フランス各地で活躍した作曲家です。プロコフィエフなどの音楽の影響を受け、そのために新古典主義的な作風や傾向の強い作品が多く、管楽器を学ぶ者にとっては注目されている作曲家の一人です。特に近代フルート・アンサンブルの歴史の中では、その功績を上げた重要な作曲家といえるでしょう。
この作品は、それぞれの特徴を持つ4つの舞曲から成っています。
第1楽章「祭り」 終始一貫して祭りの賑わいと躍動感の満ちた動きが印象的です。
第2楽章「パスピエ」 西仏ブルターニュ地方の古い舞曲。
第3楽章「哀歌」 美しい民謡風メロディーを奏でます。
第4楽章「タンブーラン」 南仏プロヴァンス地方の長い太鼓を意味するリズミカルな舞曲。
<演奏ポイント>
言わずもがなフルート4重奏の名曲!フルート吹きなら誰もが知っているこの曲をうまく吹きこなすには、ロング・トーン、タンギング、スケールやアルペジオなど、基本的なトレーニングをしっかりこなすことが一番の近道といえるでしょう。第1楽章の6/8拍子は重たくなりやすいので、軽めのタンギングが必要です。第2楽章は、8分音符の伴奏の粒をそろえ、その上で旋律は舞曲のイメージを持って軽やかに乗っていきましょう。重なり合う旋律が美しい第3楽章では、基音からの和音作りが難しいです。曲の終わりのハーモニーなどは、一旦ノンヴィブラートでしっかり音程の確認をすると、個々の癖が発見できるかもしれません。最後の第4楽章も、やはり音符の粒を揃えること、また前半と後半に出てくるベルトーンでは、音程や音質にも意識し、4人の一体感を作り上げてください。基本的に速度表示は一定ですが、躍動感が増すような快活なテンポで演奏することが、アンサンブルの上でも助けになるはずです。 |