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| 新谷 しのぶ |
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しんや しのぶ |
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東京都立芸術高校を経て、東京藝術大学器楽科卒業。
ドイツマンハイム州立音楽大学院を首席で修了。同大学院ソリストコースにて研鑽を積み、修了時にクールファルツ室内管弦楽団と、アンドレ・ジョリヴェのフルート協奏曲を共演。ドイツ国家演奏家資格を取得。
ファルツ州立歌劇場オーケストラのフルーティストを経て、2002年4月から2007年3月まで5年間に渡りテユーリンゲン州立アイゼナハ歌劇場の首席フルーティストを務める。その間、オーケストラ奏者としてだけではなくテユーリンゲン州を中心として、教会音楽や室内楽の分野で数々の経験を積む。2007年8月帰国。
フルートを、小泉剛、三上明子、J.M.タンギー、P.マイゼンの諸氏に師事。室内楽を湯川和夫、佐久間由美子、M.バーゼルの諸氏に師事。
9年間のドイツ滞在のうち5年間を過ごしたドイツ中部の街、アイゼナハは、テューリンゲンの森や山々に囲まれ、いつも重い灰色の空に覆われた街でした。人口5万人、夕方にはお店も早々と閉まり、19時以降街は閑散とします。日曜日は朝から人通りもまばらでとても静かです。その静けさのなか、教会の鐘の音が遠くから聞こえてきます。
バッハが洗礼を受けたゲオルグ教会はプロテスタントの教会で、カトリックの教会とは違い、いくつもの鐘が同時に鳴るのではなく、一つの鐘が規則正しく何度か鳴るだけなのです。そしてこの鐘がなりやむと、毎週日曜はカンタータ礼拝が始まります。礼拝の一環として、バッハのカンタータが演奏されるのですが、オーケストラ、混声合唱団は市民のボランティアで成り立っています。フルートが必要なカンタータでは、私もエキストラとしてアマチュアの音楽家に混じって演奏したものです。プロの団体ではないので、小さなミスや事故などは当たり前でしたが、何よりも簡素ながらバッハの時代の伝統を受け継ぎ、苦難な時代もその灯を必死に守り続けた教会で演奏されるカンタータは心の隅々まで響き、まさに天上の音楽そのものでした。
楽器を演奏するうえで、テクニックや音程などは音楽を支える大事な働きをします。私共専門家はとくに完璧な演奏を求めるあまり、これらの要素に縛られすぎているのかもしれません。
ゲオルグ教会の会堂に響き渡るアイゼナハ市民の奏でるひたむきなハーモニーの中に、私は真の音楽を感じたように思いました。作曲者の、演奏者の、そしてそれを聴く人々の心のあり方そのものの反映が音楽なのではないでしょうか。フルートの奏でる繊細な音を、そして人々の心を癒すことのできる音楽を生み出すことへの喜びを1人でも多くの方々に経験していただけるよう努力して参りたいと思います。 |
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