―――普段から取り入れているトレーニングはありますか?

ストレッチ各種

指のストレッチ
指が自由に動くように指をバラバラに動かす準備体操。

首のストレッチ
首が硬くなると息が入りづらくなるのでこちらもよーくストレッチ。

反り腰改善ストレッチ
まっすぐ立てないと音が豊かに安定しないため、リラックスして立てるようにやります。

ソルフェージュの訓練

楽譜を見て、楽譜通りのリズムと音程で歌えるようになること。譜読みも早くなるし、頭の中で音楽が鳴り響くとフルートでも自然に表現できるようになります。

―――電車などの移動時間に出来ること、していることはありますか?

ありとあらゆるジャンルの本を読むこと。
いろいろなことに興味を持ち、知識のある人は面白い!そんな人が奏でる音楽は・・・やっぱり面白い!

最近では音楽は「静かな場所で集中して聴きたい!」欲がでてきている私ですが、中・高生の頃は電車移動中ずっと音楽を聴いていました。フルート界の巨匠「ジャン=ピエール・ランパル」、吹奏楽の王様「A.リード」、「ベートーヴェン」「モーツァルト」の交響曲に、ボサノヴァの女王「アストラッド・ジルベルト」、ギターの神様「ジャンゴ・ラインハルト」、もちろんJ-popも!・・・学校の勉強と部活で忙しかったので、隙間時間に様々なジャンルの音楽を聴きまくりました。

―――コロナウイルスによる自粛期間になって新しく始めたことはありますか?

『知るを楽しむ』をモットーに。

自分で曲を作ってみる!(あるいはアナリーゼの勉強をすること)

「音楽を聴く」

そして、フルートは基礎的なところを見直しています。最近ハマった教本は「ポール・エドモンド=デイヴィス/28日間ウォームアップ」です。
この本の良いところは『音の響き』『フィンガリング』『タンギング』『インターバル』というフルートのテクニックに欠かせない『4つの項目』を毎日1項目ずつ訓練していくのではなく、一日に「4つとも!」必ず練習するように、すでにスケジュールが組まれているというところです。

4つの項目を同時にやっていくメリット

すでにスケジュールが決められていることの利点

―――アンサンブルや合奏などのために練習していることは何ですか?

スコアを読み込む
まずメロディラインがどこにあるのか?チェックします。そして他の楽器もふくめて、それぞれがどんな役割があるのか(メロディ?ベースライン?ハーモニー?対旋律?)見ていきます。そして、全体的にどんな構成(ストーリー)なのか、どんな音楽に仕上げたいかを事前にイメージしておくと、いざフルートを吹く時に表現や目標が明確になります。

1人でもできる、アンサンブルの基礎練習!

耳を鍛える編
ピアノ(あるいはハーモニーディレクターやチューナーの音の出る機能を使って)でペダルを踏んで、ポーンと一音鳴らします。

ピアノの和音に合わせて
ピアノで和音をジャーンと鳴らして、それに合わせてアルペジオを吹きます。

―――おすすめのエチュードをご紹介ください。

「普段から取り入れているトレーニング」ソルフェージュの訓練

・相対音感をマスターするための イヤートレーニング vol.1
Armen Donelian:著 井上智:翻訳(エー・ティー・エヌ出版)

「自粛期間になって新しく始めたこと」フルートの基礎的な部分の見直し

ポール・エドモンド=デイヴィス/28日間ウォーミングアップ

「アンサンブルや合奏などのために練習していること」

アルテス/フルート教則本 第1巻

タファネル&ゴーベール/17のメカニズム日課大練習

―――アンサンブルコンテストに向けて、選曲のポイントは?

私が中高生の頃はアンサンブルコンテストで他の団体が演奏していた曲でカッコいい!と思うものがあったらメモして村松楽器に注文していましたが、今はYouTubeなどでいくらでも音源が聴ける時代ですね!
音源からでも楽譜からでもたくさん情報を集めて、とにかく「自分達が吹いてみたい!」と心から思う曲を演奏するのが1番良いと思います!

※ムラマツ・オンラインショップに掲載されている「コンサート・コンクールで使える フルート アンサンブル レパートリー」はかなり参考になります!新しくて素敵な曲を発掘するためにも是非活用してみてください。

―――最近気になったアンサンブル曲を教えてください。

H.トマジ / 3つの牧歌(フルート三重奏)
4月のコンサートで初めて吹きましたが、魅惑的なフレーズがたくさん出てくる曲で好きになりました。その時のコンサートの模様がYouTubeにアップされていますのでよろしかったら見てみてください。

H.トマジ / 3つの牧歌 スコア&パート譜(ID:2508)

■演奏動画(フルートアンサンブル ザ・ステップ YouTubeチャンネル)
https://www.youtube.com/watch?v=ih4J0yzSRJ8

―――ホームページをご覧になっている皆さんへメッセージをお願いします。

今、いろいろなことがあって思うようにフルートが吹けない時もあるかと思います。でもがっかりしないで。そういう時にオススメなのが「良い音(音楽)を聴く」こと。
YouTubeでもなんでも良いので、まずはいろいろなフルーティストの演奏を聴いてみてください。うっとりするような美しい音色だったり、フルートってこんな音も出るの!?というオドロキの表現だったり。面白いもので人の声と同じように、世の中には様々な「フルートの音」が存在します。それを知った上で「こんな音色で吹いてみたいな♪」という自分だけのイメージが浮かんでくるようになったらシメたものです。次にフルートを持つときには、きっと鳴らせるはずです。あるいは鳴らせるようにするにはどうしたら良いか考えるキッカケになるはずです。大切なのはこれらのことを好奇心をもって「楽しんで」やること。楽しいことでないと人間の脳は吸収しません。あぁ疲れているな、と感じるときは無理をせずゆっくり休みましょう。毎日マイペースで、でも前向きにフルートと向き合っていきたいですね。