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この曲は、フルート独奏曲の名曲 「冥」 の7年後の1969年に作曲されました。福島氏が、この前年の1968年に、オーレル・ニコレの奨めで知ったB.バルトロッツィの “New Sounds for Woodwind” (1967) に啓発され、新しい音の未知の世界の探求を試みた作品と言え ましょう。楽譜の序文によれば、何ものかにひきよせられるように、次第に姿をあらわす音達。はるか彼方から、それぞれ異なった音色や音勢を持った個性的な音、音群。あるいは猛々しく、あるいはひっそりとある音に寄り添うように。あらわれ、消えてゆく。不均質な密度の帯のような音の流れや、四分音的微妙な音程をもたらす指使い。ゆれ動きざわめく音群。際立って他と異なる音色。オクターヴ下でポ・ポと遠くの筒鳥をきくようなPattering effct 等々。あたかも水底から手探りでひろいあげ、玉を磨くにも似た作業だった。特殊奏法を厳密に書き込んだ記譜ですが、時間感覚は、大まかに示されているだけなので、演奏するたびに新しく生まれる可能性を秘めています。単旋律を無限に追う横への線的な視線を古来からみがいてきた日本の美意識を活かした作品と言えましょう。(解説/三上明子)ニュース
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