解説
モダン・タンゴを極めた存在、アストル・ピアソラは、1921年アルゼンチンのイタリア系の家庭に生まれました。幼少期ニューヨークに一家は移住。5歳でバンドネオンを始め、16歳の時帰国してタンゴ演奏家になりました。その後、無名時代のヒナステラに作曲を師事し新古典的な作品の発表とタンゴ演奏を同時に行うようになりますが、更にパリに渡り、クラシックの作曲を目指します。そこで出会った伝説的な名教師ナディア・ブーランジェの優れた眼力により、タンゴ音楽家としての天分を認められ、新境地を開くことになります。55年にアルゼンチンに帰国した後、ニューヨークへ再び向かい、不遇時代だった彼に愛する父の死の知らせが届き、鎮魂曲として書いたのが最大のヒット作となった 「アディオス・ノニーノ」 でした。彼の音楽の斬新さはこの苦闘の連続から生まれたのです。「タンゴの歴史」 の翌年に発表された 「タンゴ・エチュード」 は、冒頭にバンドネオンを演奏する時のやり方を思い起こして、アクセントと呼吸をよく強調して演奏するようにとコメントがあります。ヴァイオリンのクレーメルも録音していますがエチュードの範囲を越えた魅力的な内容です(解説/三上明子)ニュース
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