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マルタンはスイス生まれの作曲家として一級の存在でしょう。彼は、チューリッヒで学んだ後、ローマ留学を経て、パリで、ドビュッシーなどの印象派の影響を受けました。その後、シェーンベルクの12音技法にも近付いたほか、ジャズの楽器を交響曲に取り入れる試みをしたこともありました。マルタンは、独奏楽器 (サクソホーン、フルート、ピアノ、トロンボーン、チェロ) とピアノ又は小オーケストラのために、「バラード」 を5曲残しました。このうち、フルートを独奏楽器とするこの曲は、1939年の第1回ジュネーヴ国際音楽コンクール・フルート部門の課題曲として作曲されました。 (この時第1位入賞は先年亡くなられたアンドレ・ジョネ氏でした。)この曲には彼の生きた時代の空気が高度な技術を要求しつつ、伝えられているように、私には思えます。無機的にフルートが同じ音価を奏する導入部。ジャズのリズムを取り入れたヴィヴァーチェの部分。フルートのカデンツァの後、次第に速さを増し、冒頭の動機が回帰し、その後、再び速度を速めてクライマックスを作ります。最後まで、ほとんど緊張の弛むことのない曲ですが、カデンツァの後の低い音域の変化が、クレーの絵のような独特の魅力を感じさせます。(解説/三上明子)ニュース
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