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武満の友人、イサム・ノグチは20世紀の美術史に残る彫刻家として1988年に亡くなるまでニューヨークを本拠にインターナショナルな創作を続けました。詩人で英文学者の日本人、野口米次郎を父に、作家で教師のアメリカ人のレオニー・ギルモアを母としてロサンゼルスに生まれました。ノグチは幼年時代を日本で過ごし、苦学の末、彫刻を志します。彫刻にとどまらずに庭園を主題とした環境芸術や舞台芸術、陶芸やインテリアまで幅広い活動を通じて東西の文化について考え続けた人でもありました。「巡り」 には、武満の言葉を借りれば、「ノグチは生涯を通じて旅するひとでありつづけたが、この曲は、ノグチの旅のように幾つかの地点を経巡りながら変化を続けていく」という概念が音を通して描かれます。核になる音とその周辺の音が、武満の語法で生きもののように楽譜に定着され、トレモロ奏法、重音、ホロートーンなどが、単なる特殊奏法としてではなく内面の発露として昇華しているのが見事です。「海へ」 (1981) と遺作 「エア」 (1996) の間に位置する作品と言えましょう。(解説/三上明子)ニュース
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