解説
「私は自分の翼で飛ぶ」 と言い、常に時代を先取りしていたヴァレーズは、先鋭な意識に裏打ちされた作品を残しました。「密度21.5」 は、1936年の作ですが、当時としてはかなり斬新な試みが見られ、フルートのレパートリーの中で重要な作品となっています(キ ィー・ノイズを使った最初の作品と思われる) 。ニコレ氏はこの曲について、ドビュッシー の 「シリンクス」 に対して、「アンチ・シリンクス」と位置付けています。つまり、フルートがそれまでイメージされていたような、柔らかく美しい牧歌的な楽器であるという連想から離れようとして、極端なダイナミックを書き込んでいるのです。フランス生まれのフルーティスト、ジョルジュ・バレールが新しく作ったプラチナの楽器の吹きぞめの演奏会のために委嘱したので、この曲の題名は、プラチナの比重がそのまま取られています。(解説/三上明子)ニュース
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