解説
ホルストは英国の20世紀初頭の復興時代を代表する作曲家で、祖国の民族音楽と東洋音楽に素材を求めて多くの作品を残しました。組曲『惑星(1914-16)』は最も有名な作品で、I.火星、II.金星、III.水星、IV.木星、V.土星、VI.天王星、VII.海王星の7曲からなっています。「木星のファンタジー」は第4曲「木星」“快楽の神”の中間部Andante maestoso 3/4[Es]の美しい旋律主題を基に、伊藤康英氏が四重奏用に編曲した作品です。彼は我が国の吹奏楽ジャンルの作品を多く手掛けている作曲家として知られ、同タイトルの独奏用[Fl&Pf]の版も編曲しております。主題は原曲3/4拍子が歌謡風にModerato4/4拍子[C]に編曲され、低音域で朗々と歌われ、各声部が和声的、対位法的に重なり合います。中間は感情が高まりPiu mosso[Es]の高音域で華麗に、分散和音に乗って歌います。後半は落ち着きを見せUn poco meno mossoは各パートが装飾楽句で飾り、最初の主題が再現され静かに曲を閉じます。ホルスト自信も気に入っており、後に独立した歌曲に書き換えました。(解説/佐野悦郎)ニュース
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