解説
作曲者自身により「きわめて古典的組み合わせである」と評され、各楽章にも副題が添えられています。第1楽章は「五つの楽器の間に取り交わされるそこはかとなき思い出の物語」とあり、自由なソナタ形式で、第1主題は五音階の古風な旋律が受け継がれ展開されます。第2主題は分散和音の牧歌的旋律が変奏され、展開部ではバスの旋律の上で田園的旋律が舞い、全楽器がカデンツァ風旋律を奏でて再現部を導きます。第2楽章は「山野をかけめぐる乱舞の心持」とあり、狩猟のファンファーレ楽句が軽やかに躍動するロンドです。主題は対話して駆け巡り、最初の挿入楽句は穏やかな牧歌で、次の楽句は伸びやかな持続音に包まれ乱舞するジーグ風の下行旋律です。最後はホルンが終了の号令をかけます。第3楽章「無礼講の饗宴」はロンド(ソナタ)風に書かれ、主題は4度下行音程による動機が音階で繋がれ、変奏されていきます。挿入楽句では不思議な響きの上行旋律に童歌が重なり、冒頭主題がのどかな4度連続旋律を奏でます。再現部で各主題は繰り返され、コーダは主題の饗宴です。平尾貴四男は慶応義塾大学卒業後、フランスのスコラ・カントルムで作曲を学び、帰国後は作曲家グループの「地人会」を結成して、近代フランス音楽と日本の響きを融合させた音楽を発表しました。ニュース
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