解説
前期ロマン派時代の管弦楽団は2管・3管編成が基本であったことから、フルート・アンサンブルは三重奏が基本となり、四重奏形態はまれで、残された作品は貴重なものばかりです。ガブリエルスキーは四重奏曲を3曲(Op.53のNo.1, No.2, No.3)残しており、その中で未刊であった「第1番」が再版されたことにより、ここに全3曲が出揃いました。この作品は珍しく2楽章構成で書かれ、荘重な序奏から始まります。第1楽章はソナタ形式で書かれ、行進曲風な意気揚々たる第1主題では各パートが一丸となりたくましく行進します。第2主題は優美な旋律を各パートに引き継ぎながら流麗に舞います。展開部はコンパクトで、付点音符の行進曲断片と和声的コラールが響きます。第2楽章はロンド形式で書かれ、軽快な短前打音が連打されるロンド主題と、爽やかな各挿入主題は、共に第1楽章と共通した動機により構成されています。(解説/佐野悦郎)ニュース
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