解説
ガブリエルスキー家はロマン派時代に活躍したドイツのフルーティストの家系で、最も知られているのがこのヨハン・ヴィルヘルム・ガブリエルスキーです。作品53は3曲セットで書かれ、当時のBREITKOPF社で出版されました。この新刊はそれを基に再版、校訂され、これでこの作品の全曲が出揃いました。第2番は典型的な3楽章構成。第1楽章はソナタ形式を枠組みの基本として書かれ、第1主題[A]はロマンティックな旋律。悲しげな副主題[a]は幾度も転調を重ね展開し、推移します。第2主題[E]は牧歌的に奏でます。続き、刺繍音と分散和音により技巧的楽句が持続します。展開部では新たな第1主題にとってかわる主題[Fis]が生まれ、3連符で華麗に変奏され、第2主題[A]が再現されます。第2楽章は三部形式で書かれ、明るいロマンの香り漂う牧歌的で清楚な旋律が長閑に歌われます。第3楽章はロンド形式で書かれ、主題[A]は軽快に動き回り、挿入主題は細分化された多彩なリズムで変化し、応答します。(解説/佐野悦郎)ニュース
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