解説
「木管五重奏曲 第1番」(1948)は4楽章構成の伝統的な様式の中に現代的な要素が組み込まれた魅力的な作品です。第1楽章の序奏はHr.Fl.Ob.が近代的な響きで主題を奏で、Bn.Cl.がリズムで旋律を支えます。主要主題はHr.の連打から始まり、躍動感溢れる様々な動機の組合せが全体を構成し、上下行する様々な半音階的動機がアラベスクのように響きます。後半のFl.Cl.による技巧的な分散和音に、Ob.Hr.が主題を繰り広げる様は圧巻です。第2楽章は半音階が行き交う中、軽妙なスケルツォ主題と変化するテンポ、寸断する主題、トリオのジャズ風ワルツが絡み合います。第3楽章はコラールと主題と変奏曲から構成され、主題はOb.が哀愁の旋律を奏で、Fl.が半音階的装飾句を奏します。Var.I.はBn.Hr.が滑稽な主題を奏し、その上をFl.Ob.Cl.が半音階装飾楽句をリレーし、Var.II.はFl.Ob.Hr.Bn.の響きの中、Cl.が悲しいシチリアーノを歌います。Var.III.はHr.Bn.の和声中にCl.のせせらぎの様な音階が流れ、Fl.が清らかな旋律を歌い、Var.IV.は躍動的に飛び交うリズムに、Ob.Cl.Fl.が交代で変奏主題を繋ぎます。Var.V.はTuttiで優美な主題をポリフォニックに纏め上げます。第4楽章はフランス風行進曲の主題が全体を支配し、中間部では行進曲が突如寸断されながらも、変奏をくり返します。ニュース
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