解説
古典舞曲の性格をもつ4曲の小品からなる二重奏組曲で、1906年に同社から出版(初版)、この度再版されました。表題にある「kontrapunktischen」とは対位法的の意味で、2本のフルートの主題旋律が模倣し合いながら美しい綾と響きを醸し出す古典的な様式で書かれています。第1楽章 Allegro assai 3/4[D]は三部形式で書かれ、華やかな分散和音、音階の断片楽句が各パートに交互にリレーされ、美しい模様を描きます。中間部は流麗で清らかな旋律が奏でられます。第2楽章 Larghetto 2/2[h]は悲しみのアリアで、美しい旋律線を交互に受け継ぎ奏で合います。第3楽章 Moderato ma non troppo 3/4[G]は三部形式で書かれ、メヌエット舞曲風の主題が優美に舞います。第4楽章 Allegro molto 2/2[D]は三部形式で書かれたガヴォット風の小品です。古典的なアーティキュレーションが特徴的な主題は、カノンで書かれています。中間部は優しく歌います。K.ロリッヒはドイツの後期ロマン派の作曲家で、ニュルンベルク、ヴュルツブルクで作曲と理論を学び、1892年「ワイマール大公国音楽学校」の教師、ワイマール・フィルハーモニック協会音楽監督、指揮者として活躍し、近代の新古典主義的な作風で知られています。(解説/佐野悦郎)ニュース
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