解説
18世紀のイタリアは、ヴァイオリンの発祥の地であることから、楽器改良もめざましく、多くの楽曲が発表されてきました。しかしフランスでは、ヴァイオリンの地位自体がまだ高くなく、ヴィオール族の方が貴族の好みに合っていました。そのような背景で、ルクレールはフランスのヴァイオリン楽派を築いた存在でした。ダンスとヴァイオリンのどちらも職業にできる能力を持ち合わせていたルクレールは、イタリアのトリノの劇場でダンサー、振付師として働きながら、イタリアのヴァイオリニスト、ソミスにレッスンを受けて、イタリアとフランスの様式を融合した作品を書こうと目指したのでしょう。1723年にパリに赴き、裕福なパトロンの下で12曲からなる作品1の作品集を出版しました。そのなかの2曲にフルートでも演奏可能と作曲者自身の指定があり、ソナタ ホ短調はそのうちの1曲です。第1楽章 Adagio 哀愁を帯びた会話がソロと通奏低音で交わされる。第2楽章 Vivace ダンスのセンスを感じる楽章。第3楽章Aria. Affetuoso 多用される強弱記号から表現への配慮が汲み取れる。第4楽章 Allegro 対位法的に書かれた楽章。(解説/三上明子)ニュース
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