解説
クラシックとジャズの融合を試みたアメリカの作曲家ガーシュウィンは、1928年にパリに渡り、その間に花の都パリの情景を「音詩」にまとめ、帰国後に管弦楽曲に書き改めました。この木管五重奏版は管弦楽曲の主要主題を抜粋して、単一楽章を4つの部分(組曲風)に区切り編曲されたものです。I. 冒頭の「散歩の主題」は20世紀初頭のパリの街角に行き交う人々を情景描写し、クラクションの擬音が愉快に響きます。また、曲の最後には当時パリで流行したスパニッシュ行進曲「ラ・ソレーラ」の断片がコラージュされて終わります。II. 次の主題は「行進曲風動機」で原曲では勇敢(Con brio)の指示があり、随所で表情を変えて行進し続け、雑踏の中から「クラクション擬音(Autohupe, Taxi-horn)」や「散歩の主題」が聞こえます。III.「散歩の主題」が拡大されて、「安らぎの主題(Calmato)」となり、続いてPiù mossoで動きが生まれ、「陽気な主題」が加速して突如静寂になり、Subito con brioからは勇敢な行進曲風の「活発な主題(marcato)」が終わりまで突進します。IV. 終曲は故郷アメリカへの郷愁の「ブルースの主題」が憂鬱に流れます。結尾は急速なリズム動機が重なり合って幕を閉じます。(解説/佐野悦郎)ニュース
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