解説
アーベルはドイツ中北部で活躍した古典時代の作曲家一族です。父のクリスティアン・フェルディナントはJ.S.バッハが楽長を務めていたケーテン宮廷楽団において著名なヴィオラ・ダ・ガンバ奏者でした。両音楽家系は親交を深め、後にC.F.アーベルがロンドンに移り住み、J.C.バッハと共に同年にシャーロット王妃付きの室内音楽家に任命されました。この2人はロンドンでの公開演奏会「バッハ=アーベル・コンサート」で成功を収め、新たな道を切り開きました。この古典様式の典雅な「三重奏曲 作品16[G.D.C.G.]」は珍しい4曲セットで、全曲共に3楽章で構成されています。この第1番 ト長調は3楽章構成で、第1楽章は典型的な古典ソナタ形式で書かれ、第1主題[G]は明るい旋律が魅力で優美に響きます。第2主題[D]は流暢な旋律が爽やかに奏でられます。第2楽章は三部形式によるアリアで、低音旋律(チェロ)上に優美な二重奏が舞を披露します。第3楽章は軽快なロンド形式で書かれ、主題は躍動し、2つの挿入楽句はそれに応対して、伴奏音形上に華やかに乱舞します。(解説/佐野悦郎)ニュース
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