解説
クンマーの弦楽器とフルートの室内楽はフルート四重奏曲を基本編成として10曲程残っていますが、この作品は三重奏曲としては特別な編成です。4楽章構成の構築力のある大三重奏曲で、第1楽章はソナタ形式で書かれ、第1主題[C]は伴奏音形にのって大らかな分散和音主題が美しく舞うように響きます。第2主題[G]は半音階的な伸びやかな主題が浮遊する中、細分化された装飾楽句が華麗に舞います。展開部は劇的に躍動し、再現部は両主題ともに主調[C]に戻ります。第2楽章は三部形式で書かれ、3連符の伴奏上に哀愁の主題がフルートとヴァイオリンで交互に奏でられます。中間部[E]は軽快な伴奏にのって愉快に戯れ、結尾[E]は静かに消えていきます。第3楽章は古典様式の躍動するメヌエットで書かれ、Trio[F]は明るく長閑に舞われます。第4楽章の主要主題はスケルツォ風に躍動し、各楽器は楽句に勢いをつけて突進していきます。2つの挿入句は和みのワルツを清らかに舞い踊ります。ちなみに、この曲は同じ作品番号で五重奏ヴァージョン[2Fl. Va. Vc. Guit.]も存在します。(解説/佐野悦郎)ニュース
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