解説
1912年に初演されたバレエ音楽「ダフニスとクロエ」は、古代ギリシアで書かれた恋愛物語を題材に取った作品で、ラヴェルの豊かな想像力と色彩を強く感じさせます。彼は、同時に全曲をピアノ譜でも出版しており、いろいろな角度から、音組織を綿密に推敲したことがうかがわれます。同じころに出版された管弦楽のための「第1組曲」「第2組曲」は、すぐに世界中で演奏されるようになりました。「パントマイム(無言劇)」で奏されるフルートのソロは、一度聴いたら忘れられない魅力を持っていますが、この部分がピアノ伴奏の小品として出版されました。ラヴェルは、この曲をピアノ版「3つの断章」としても出版していますが、ヴィーゼはその第3章全体をフルートとピアノのために編纂し直しています。劇中でダフニスがパンの神のように葦の笛で奏でる調べは、ドビュッシーの「シランクス」もまたパンの神からの霊感を受けて作曲されたことを思い起こさせます。ニュース
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