解説
原曲は「自動オルガンのためのファンタジー KV.608」(1791) で、美術収集家のヨーゼフ・ダイム伯爵の依頼によりウィーンで作曲されました。伯爵は蝋人形館を開設し、そこに機械仕掛けの楽器コレクションを展示し、自動演奏を聴かせていたそうです。別名「自動オルガンのためのアレグロとアンダンテ」とも呼ばれます。原曲に忠実に、オルガンのように多彩に響く木管五重奏曲に編曲された傑作です。三部に分かれ、第1部 Allegro 4/4 [f] は三部形式で書かれ、フランス風序曲のように劇的に飾られた付点音符動機が次々と繋がり序奏の役割を果たして、フーガ主題を導きます。フーガ主題は各楽器に次々と模倣されて、対旋律も加わり各声部が美しい旋律線の綾をなします。冒頭の付点音符主題が再び現れて後奏の役割を果たします。第2部 Andante 3/4 [As] は(三部形式風)変奏曲で、穏やかな賛歌風主題旋律が美しく歌われます。中間部からは装飾された旋律が高らかに歌い、主題が16分音符で変奏されます。さらに装飾音で飾られながら流れて、冒頭主題に絡みながら続き、最後はカデンツ風の技巧的パッセージで第1部が再現します。(解説:佐野悦郎)ニュース
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