解説
2007年に98歳の生涯を閉じたドイツの作曲家ゲンツマーは、亡くなった後もゲンツマー作曲コンクールやゲンツマー作品の演奏を競うコンクールが定期的に催され、その遺志は脈々と受け継がれています。ベルリン音楽大学でヒンデミットに師事。戦時中はクラリネット奏者として軍務につき、戦後はフライブルクとミュンヘン音楽大学で長きにわたり、教育に携わりました。作品の数は膨大で、オーケストラ、カンタータ、合唱、ピアノ、オルガン、室内楽など多岐にわたっています。フルートのための作品もエチュード、室内楽、ソナタ、コンチェルトまで驚くべき作品数です。「別れの幻想曲」は、2007年に仕上げられ、友人でピアニストのM.へーエンリーダーに捧げられています。ゲンツマーの作品は、一貫して前衛とは一線を画して、ヒンデミットから受け継いだ職人の手堅さが基調となっていますが、「別れの幻想曲」には、夢のような境地に近づきつつある心境が感じられます。第1楽章、影を表すようなピアノのパッセージとフルートの5度の主題が展開していきます。第2楽章、即興的なパッセージが繰り広げられます。第3楽章、素早く融和的な内容。第4楽章、東洋的な響き。第5楽章、クライマックスの後、静かに回帰します。ニュース
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