解説
F.J.ハイドン作「6つの弦楽四重奏曲 作品17 の1-6 (Hob. III : Nr. 25-30) [E. F. Es / c. G. D]」が原曲です。当時この作品が出回るとすぐに編曲され、「6つのフルート二重奏曲 作品17の1-6 [F. F. G / g. G. D]」としてボンとパリで出版(chez N. & H. Simrock)されました。原曲は全て4楽章構成で、第3番の「変奏曲」を除き、他の第1楽章は典型的な古典派ソナタ形式で書かれ、各主題が明確で、展開部の動機労作(展開)は見事です。原曲と編曲を比較すると、曲の寸法はほぼ忠実に再現されています(第6番、第3楽章削除)。編曲の際に声部が不足するために伴奏音形が大きく補足され編曲がなされています。また音域の都合上、調性は第1番で[E]が[F]に、第3番で[Es]が[G]に、第4番で[c]が[g]に移調され、各楽章の調性関係はそれに準じています。6曲とも第2楽章は愛らしいメヌエットが配置されています。第6番(第3楽章が削除されている)を除き、第3楽章は美しい旋律が映える緩徐楽章で、伴奏音形に手の込んだ編曲がうかがえます。第4楽章(第6番では終曲)は急速楽章で活気溢れる主題が躍動します。ちなみに、原曲の自筆譜はウィーン楽友協会図書館に保存され、その表題は「四声部のディヴェルティメント」とあり、初版本(1771)には「Op. 9?」が、編曲の際に「Op. 101?」が付けられました。(解説/佐野悦郎)ニュース
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