解説
「ブルレスケ」とは冗談、滑稽を意味し、喜歌劇や茶番劇の滑稽な音楽を指し、器楽では軽妙な曲芸師のような超絶技巧的なスリルのある楽曲「滑稽曲」のことです。伴奏付きの三重奏(3Fl.Pf.)は後期ロマン派から近代の作品としては珍しい編成形態です。ロンド・スケルツォの形式(複合三部形式)の枠組みで書かれた単一楽章の演奏会用作品で、3人の笛吹達が遊び戯れる愉快な舞曲です。スケルツォの主要主題[e]をはじめ軽快な各主題と挿入楽句は、カノン風に遅れて引き継ぐアンサンブルの妙技が魅力です。中間部はTrioの役割を果たし、牧歌的旋律[D]が美しく響きわたります。スケルツォ主題が再現され、最後は滝が流れ落ちるようなピアノの半音階の後、終結します。1922年に初版が出版され、それをもとに再版された楽譜です。K.ロリッヒはドイツ後期ロマン派の作曲家で、近代の新古典主義的な作風で知られています。ニュルンベルク、ヴュルツブルクで作曲と音楽理論を学び、多くの室内楽作品を書き残しています。 (解説/佐野悦郎)ニュース
関連サイト
注文ボタンのない商品につきましては、右上の「お問い合わせ」よりお願いします。