解説
華麗なワルツやポルカ等、各国の民謡、舞曲が舞い躍る、オルロフスキー公爵主催の舞踏会が描かれる喜歌劇「こうもり」(全3幕、初演1874年)から「序曲」を、原曲に忠実に仕立て上げたフルート四重奏曲です。この序曲は劇中の主要主題を予告し、回想するように仕組まれた「主要主題接続曲」です。活気に満ちた冒頭主題 Allegro vivace 4/4 [A]が躍動すると、すぐさま Allegretto 4/4[A]では主題が拡大変奏され、歌われ模倣された後、再び主題が躍動します。次の Lento 2/4[A]は持続トリルに付点音符が舞い、トリルで飾られた4度動機旋律が踊ります。Meno mosso 2/4[D]は【第3幕】「終曲III」から美しい上行分散和音旋律が奏でられます。続く Tempo di Valse 3/4[G]は【第2幕】「終曲II」舞曲(Ballett)から最後に踊られる有名なワルツです。次の Andante 3/4[e]は【第1幕】「第4番」三重唱「ロザリンデの嘆き」で優美に踊られ、後半のAllegro molto moderato 2/4[E]は急速に躍動するポルカ風舞曲です。序曲の後半では前述の各主題が入り乱れ、乱舞する夜会の酔っ払い浮気騒動を予感させます。喜歌劇の結末は夜会出席者全員が「全てはシャンパンの泡のせい」と乾杯します。(解説/佐野悦郎)ニュース
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