解説
W.F.E.バッハはJ.S.バッハの孫にあたり、一族最後の音楽家として知られています。ビュッケブルクの宮廷音楽家であった父親J.C.F.バッハ(1732-1795)から音楽を学び、その後、叔父であるハンブルクのC.P.E.バッハ(1714-1788)に世話になり、1778年にはロンドンのJ.Ch.バッハ(1735-1782)の家に移り住みました。そこでピアニスト、教師として活躍した後祖国に戻り、ベルリンにおいてプロイセン王妃フリーデリーケ付の宮廷楽長兼チェンバロ奏者に任命されました。彼の作風は、古典派時代にあっても厳格な対位法の書法を堅持していました。同様にこの三重奏曲もバロック、ロココ、古典派の各様式が混在したバロック時代の教会ソナタの4楽章構成で書かれています。第1楽章 3/4[G]Larghetto cantabileはバロック風の旋律が模倣され優美に舞います。第2楽章 4/4[G]Allegroは古典派ソナタ形式で書かれ、軽快な分散和音からなる第1主題[G]はすぐに模倣[D]され躍動します。第2主題は穏やかな旋律が揺れ動きます。第3楽章 6/8[e]Poco Adagioは哀愁のシチリアーナで、2本のフルートで模倣されます。後半は3声部が充実した響きで歌います。第4楽章 2/4[G]Fuga Prestoは二部形式で書かれ、躍動するフーガ主題は明るく快活に動き回ります。尚、弦楽器パートをファゴットで演奏すれば木管三重奏になります。ニュース
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