解説
クーラウはドイツ生まれのデンマークの作曲家。今日では、ピアノ学習者のための作品が広く知られています。1802年頃にハンブルクで本格的な音楽の勉強を始め、早くもピアノ・リサイタルを開き、作曲も始めました。1810年にナポレオンの軍勢がハンブルクに侵攻した時に、コペンハーゲンに逃れ、1818年に同地で宮廷作曲家となり、歌劇「ルル」、ジングシュピール「妖精の丘」など多くの劇場作品を書きました。また、彼はベートーヴェンに大きな影響を受け、「フルートのベートーヴェン」と呼ばれるほど大事なフルートのレパートリーを残してくれました。その中の1曲、「ソナタト長調」は1827年にボンで出版されました。第1楽章 Allegro con fuoco わかりやすい構成の中に、次にどんな展開になるか演奏者と聴き手に謎かけをするような仕掛けが面白いです。第2楽章 スウェーデン民謡の主題による変奏曲(T〜Y) しめやかな雰囲気から始まり、第X変奏で長調に転じて幸せな気分になり、第Y変奏でピアノ・パートの技巧的なパッセージの後、静かに締めくくります。第3楽章 Allegro 途中に内省的なAdagio sostenuto を置いて奥行きのある作りになっています。(解説:三上明子)ニュース
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