解説
原曲のヴァイオリン、チェロ、ピアノの編成のヴァイオリンをフルートに書き変えた楽譜です。副題を持つ3曲で構成された組曲で、近代的和声が悲しく響く中に、随所に断片的にアラブ風や東洋風の旋法が流れます。T. Prélude(前奏曲)3/4 [d] はピアノの低音のオスティナート風分散和音上にチェロとフルートの魅惑的な旋律線が優雅に踊ります。U. Danse d’Almée(アルメの踊り)2/4 [a] は三部形式で書かれ、ピアノの低音の急速な打楽器的リズム伴奏の上に東洋的旋律が流麗に舞い、中間部では華麗なピアノの分散和音上でボレロを踊ります。「アルメ」とはエジプトの上流階級の民俗舞踊の美しい踊り子を指し、アルメへの憧れは数々の西洋絵画に描かれています。V. Ronde de Nuit(夜のロンド)3/4 [f] はピアノの低音伴奏上にチェロとピアノのロンド主題が寄り添い、サラバンド風旋律を厳かに奏で、挿入楽句は半音階旋律と付点音符のように跳ねる旋律線と絡み合います。フランスの女流作曲家のメラニー・ボニスはパリ音楽院で、ピエルネ、ドビュッシーと同時代に学びました。当時作曲家は女性の仕事として認められない時代であったため、メル・ボニスを名乗り、多くの美しい響きの室内楽作品を残しています。(解説:佐野悦郎)ニュース
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