解説
R. ティルメッツはミュンヘン出身の近代ドイツの名フルーティストです。Th. ベーム(1794-1881)の弟子であり教育者として教則本(OP.30)及び数々の練習曲(OP.12, 19, 20, 29, 36, 40, 46)で知られ、また室内楽作品も多く書き残しています。この作品は、牧歌の流れる田園風景の中、クロウタドリが求愛の歌を対話する様子を情景描写した愛らしい二重奏小品です。幻想曲風の二部構造からなり、第1部は「前奏」 2/4 [D] で始まり、求愛のさえずりが対話し愛を確かめ合います。「Andante主要主題」 3/4 [G] は愛のスロー・ワルツが踊られ、合いの手にピッコロがトリルと分散和音でさえずり応答します。次の「変奏曲」 [G] ではピアノの主題とフルートの主題が対話する中、ピッコロが分散和音のトレモロ、連鎖装飾音、連打音を駆使して流麗華麗に飛び交い対話する超技巧的変奏曲です。第2部は「ポルカ風主題」 2/4 [D] が曲全体に流れ、ダブル・タンギングで連打する無窮動主題が軽快な装飾音で飾られて、ピッコロとフルートが仲良く3度並行進行で飛び交い戯れる中、華麗な分散和音旋律がリレーされます。(解説/佐野悦郎)ニュース
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