解説
Fr.クロンマーの作品は、チェコの音楽学者カレル・パドゥルタにより【主題目録 PadK No.】(1997)に整理されましたが、その目録では確認できない貴重な新協奏曲です。ミュンスター・タール音楽舞踏学校の古文書(Hartmann Collection)の手稿譜から発見されたもので、古典派協奏曲様式の3楽章構成で書かれています。第1楽章 Allegro 4/4 [F] はソナタ形式で書かれ、明るい第1ソロ主題 [F] はフルートとファゴットが3度進行(オクターヴ乖離)で溜息の動機を伴奏と交互に対話し、技巧的フレーズを引き出し16分音符で躍動します。第2ソロ主題 [c] は同じく溜息の動機で管楽器が悲しく対話し、やがて激しく乱舞します。展開部 [C] では分散和音動機(第3主題 [C])が大胆に躍動します。第2楽章 Adagio [d] は二部形式で、前半は劇的な分散和音動機の管弦楽前奏から始まり、管楽器の悲しい二重奏アリアが歌われ、後半 [D] は一変して明るい二重奏アリアがセレナードのように奏でられます。第3楽章 Rondo 6/8 [F] はロンド形式で書かれ、爽やかな音階動機旋律が応答し軽快に上下動を繰り返します。第1の挿入楽句 [F] は分散和音と音階による技巧的な16分音符動機で走り周り、第2の挿入楽句 [d] は管楽器が悲しく交互に対話を交わして歌います。(解説/佐野悦郎)ニュース
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