解説
ビーバーはバロック最盛期の宮廷作曲家、ヴァイオリニストです。ボヘミアに生まれ、ドイツ系で初めてウィーンで宮廷楽長になったJ.H.シュメルツァーに師事し、1670年頃からザルツブルクの大司教に仕え、最終的に貴族の身分が与えられるほどに重用されました。ロザリオ信仰にちなんで作曲された全16曲からなる「ロザリオのソナタ集」は代表作です。当時のヴァイオリンの演奏技法を集大成した15曲の後に、第16曲として子供の手をひく守護天使の銅版画が添えられた無伴奏「パッサカリア」が配置されています。ト短調で下行する4つの音がオスティナート・バスとなり、全曲を通して65回繰り返される上に多彩な変奏が作り出す壮大な世界は、バッハの「シャコンヌ」に連なる作品と位置付けられています。この楽譜ではイタリアの若い作曲家M.Azzanがフルート用に校訂し、副声部の音を違う形の音符で示すなど、新しい視点が示されています。また、オスティナートが上声に移る中間部で、音域の都合でこのフルート版では音域が第3オクターヴに設定され、ヴァイオリンの原曲とは違った印象を与えるでしょう。(解説/三上明子)スタッフより
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