解説
ブリッチャルディは多くの超技巧的フルート作品で有名ですが、幾つかの木管五重奏曲も書き残しています。この作品は3楽章構成で書かれイタリア歌劇を彷彿とさせる楽しい作品です。第1楽章 Allegro marziale 4/4 [D] は自由に書かれ、歌劇の序曲のように次々と主題が出現します。前奏と後奏は意気揚々と行進曲が突き進みます。曲の前半はソナタ風で、第1主題 [D] が各楽器に受け継がれ大らかに歌われます。第2主題 [D] は分散和音旋律が優美に奏でられ、その後特徴的主題が自由に並び、上行半音階が連なり、上行分散和音動機が躍動します。中間部 [A] は転調し、オーボエの半音断片動機が連続する中、クラリネットが平坦な歌謡的旋律を歌いフルートに繋ぎ、その後半は技巧的変奏曲風楽句に変身して後奏に入ります。第2楽章 Andante 6/8 [D] は三部形式で、上昇する分散和音の前奏が牧歌を告げ、牧歌主題 [D] はのどかに歌い、中間部は交響詩的な響きを奏で、小鳥が囀り、印象的です。第3楽章 Allegro 2/4 はロンド形式、前奏 [h] は軽妙な断片動機が飛躍し、続くロンド主題 [h] が悲しく動きます。第1挿入楽句 [D] はクラリネットのソロが優美に踊り、第2挿入楽句 [h] は2拍3連符の牧歌的ワルツを全体で奏で、最後はロンド主題が華麗に乱舞します。(解説/佐野悦郎)ニュース
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