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ウェーバーのオペラ 『オイリアンテ (1823) 』 の主題を素材としたこの曲は、単なる変奏曲とは言えない充実した作品です。クーラウは、ベートーヴェンに傾倒し、当時のロマン派の風潮の中で、おびただしい作品を書き続けた人でしたが、生活のために書いた作品にも作曲家としての職業意識が感じられます。g-moll で始まり、転調を繰り返して再び g-moll に行きつく序奏は、複符点のリズムの効果もあり、悲劇的な様相を見せていますが、続く主題 「オイリアンテのロマンス」 は、オペラの主人公が歌うであろう穏やかな旋律です。I〜VI変奏では、技巧的な面を誇張することなくフルートとピアノの合奏によって様々な情緒を描き分けています。この曲は、かなり熟練した奏者を想定して作曲した感じで、双方のパートに充実した筆致が見られます。19世紀の音楽の楽しみ方は、現代から見れば、はるかに娯楽が少ない分、もっと全人間的だったのでしょう。その取り組み方でこの曲に臨むのは、私たちには無理にしても、当時の音楽と人の付き合い方を理解すると、この曲の面白さに奥行きが出てくるのではないでしょうか。(解説/三上明子)スタッフより
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