解説
フランドルのルイエ家には、従兄弟で同名のジャン=バティスト・ルイエがおり、混同するため、それぞれde Gant、John of Londonと呼ばれます。この五重奏曲は手稿譜に「Sonata Del Mr. Loeillet」とのみ記され、そのどちらの作かは不明です。リコーダー・パートはトラヴェルソ同様に最低音Dのヴォイス・フルートのために書かれ、教会ソナタ様式で、2本のフルートと2本のリコーダー双方の平行3度進行の色彩の対比が美しい作品です。第1楽章Largo [h] 3/4 は哀しい旋律が1stフルートから2ndフルートに模倣されトリオで、その旋律は2本のリコーダーのトリオにも模倣され、美しく奏でられます。その後は4本の笛が一体化して和声的に対位法的に彩り、豊かな響きを聴かせます。第2楽章 Allegro [h] 2/4 は二部形式、協奏曲風にフルートとリコーダーが力強く前進する舞踏動機主題を模倣し合い、対話して転調を重ねます。後半は平行調 [D] で主題が模倣され、転調を重ね対話を繰り返し、元の調に戻ります。第3楽章 Grave [D] 3/2 は明るい和声の響きの中に、下方に緩やかな弧を描く4分音符音階動機が各パートに引き継がれ繋ぎ合わされ旋律線が緩やかに流れます。第4楽章 Allegro [h] 3/8 は二部形式で書かれ、リコーダーがパスピエのような舞踏風主題で戯れ、後半は転調を重ね、今度はフルートで主題が奏でられます。 (解説/佐野悦郎)スタッフより
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