解説
18世紀はフルートのための作品が多く作曲された「黄金時代」でした。クヴァンツはその立役者のひとりです。1741年、即位したフリードリヒ大王は、終身年俸の特別な契約でクヴァンツを招き、宮廷のコンサートの監督から、王の演奏するフルート曲の作曲、王とのデュエットなどを任せました。クヴァンツは、1752年、フルートのみならず音楽全般をとりあげた「フルート奏法試論」を出版し、大反響を呼びました。 楽器製作から作曲までこなした彼は、教育への配慮も大いにあり、「カプリス、ファンタジーと練習者のための小品」は、興味深い1冊です。コンサート用に使える小品から、通奏低音との簡単なアンサンブルの訓練、ダブル・タンギング、レガート、高音、トリルの訓練のほか、転調の訓練なども配慮されています。練習曲のように見える曲も、味わいを見つけることができるかも知れません。フルートのためのエチュードは、ケーラー、アンデルセンなどロマン派の作曲家によるものが多いですが、この曲集も、バロックの素養を培うために、親しんで頂ければと思います。ニュース
関連サイト
注文ボタンのない商品につきましては、右上の「お問い合わせ」よりお願いします。