「響き合う」ということ

フルートを吹くとき、まず大切なのは「響き」です。
フルートのバイブルと言われている「ソノリテ(響き)について」(M.モイーズ著)などを使って毎日自分にとって、より良い響きを創って行きます。
力んだり、自分の思いで一杯一杯だったりすると身体も心も響きません。
身体にも心にも空間があることが大切です。

私たちは演奏するとき様々なものと響き合っています。
自分の気持ち、作曲家の魂、伴奏者、聴衆、ホール、先生、誰かから寄せられる期待、その場の持つ雰囲気…etc.
例えば自分のエゴやお金などが大事な人は、それに響き合った音がします。
ちょっと怖いですね(笑)。
あなたは何と響き合って演奏しますか?

少し難しいお話をしますが、人格を表すラテン語のペルソナは「響く」という意味を持っているそうです。ペル(per)とソナーレ(sonare)という言葉から成っていて、ペルは「貫いて」という意味の接頭辞、ソナーレは「響く」という意味の動詞です。つまり「人格」は「貫いて響くこと」という意味になります。まさに「人は響きなり、響きは人なり」ですね。
演奏も同じだと思います。
そんなことを考え求めながら、一番あなたらしい響きを一緒に創って行きたいと願っています。

またしっかりとした基礎奏法を身につけていただくことも大きな目的です。
モイーズ師がレッスンの合間によく仰っていました。
「フルートほどいい加減に吹ける楽器はない。またフルートほどちゃんと吹くのが難しい楽器もない」と。
生き生きとしたリズムやフレージングを生み出して行くための、より良い基礎奏法をご一緒に学びながら、楽しいレッスンを進めて行きたいと願っています。
どうぞあなたの魂とフルートが響き合って、素敵な音楽人生を歩むことが出来ますように。そのお手伝いが出来たらとても幸せです。