リコーダーを愛する人々は、中世・ルネッサンス期から現代に至るまでの様々な時代の音楽を演奏して、この楽器に親しんでいることでしょう。

特にバロック期には、リコーダーで演奏されることを想定して作られた作品がたくさんあります。レッスンではその様な通奏低音付のソロ・ソナタやデュエット曲を主に取り上げます。リコーダーという楽器の持ち味をうまく生かした形で、気持ち良く、楽しく演奏できるようになっていただくことを目指して指導しております。
そういうわけで、普段のレッスンでは私も一緒に吹いた二重奏の形で行われますが、それにあと一声部加えた三重奏の形で行う機会も多く持ちたいと考えています。
所属に関係の無い生徒さんたちの集まりによる合奏のレッスンも行っています。個人レッスンを受けられている方が対象ですが、皆さん得るものも多く楽しんでいらっしゃいます。

ところで、私は1985年頃からアイルランド音楽の演奏を手がけています。楽器はホイッスルというもので、リコーダーとよく似た縦笛です。以下に紹介したいと思います。

◎TinWhistleについて
アイルランドの笛として古くから知られている楽器に「ティン・ホイッスル」というものがあります。10年程前までは文字通りブリキ製のものが主流でしたが、最近は木製やプラスチック製のものも多くなり、単にホイッスルとかウイッスル、またそれだけだと楽器名としてよくわからないのでアイリッシュ・ホイッスル等と呼ばれるようになってきました。
一般的にはまだまだイギリス方面へ出かけた人々のおみやげとしての認識もある様です。事実、私の持っている英和辞典には「ブリキで出来た安価なおもちゃの笛」(TinWhistle)と載っています。しかし、ホイッスルはれっきとしたアイルランドの伝統音楽の中で用いられる重要な楽器です。
本来のアイルランド音楽に接しない限り、なかなか耳にする機会はありませんが、しかしここ数年のちょっとした「アイルランド」「ケルト」ブームもあり、また例の映画「タイタニック」の中で頻繁に使われていたりして、少しずつ知られていくようになりました。この7~8年の間に東京にもアイリッシュ・パブが何軒もオープンし、そこでは月に何回かノーチャージのライブがあったりもします。また、一部の音楽教室ではホイッスルクラスを開講し、実際に吹いてみたい人達への要望に答えています。

リコーダーと同じ発音機構を持ったホイッスル。是非吹いてごらんになり、トラディショナルな笛の演奏法にも親しんで頂けたら、と思っております。