2011年の3月突然東日本を襲った大地震、その記憶はまだ生々しいものです。
大地震に大津波、それに追い打ちをかけるように原発事故…
それまでの日常が1日にして「非日常」となりました。
スーパーから食料品が消え、街はの明かりが減り、放射能に怯える日々。
そして、それまでは台風が来ても大雪でも絶対にお休みにならなかった
ムラマツフルートレッスンセンターが1ヶ月もの間お休みになってしまったのです。

今思い出しても、何もやる気のおきない暗闇のような日々でした。
僅かでも日常を取り戻さなきゃ、と地震から1週間経ってそれまでなんとなく自粛していたフルートの練習を再開しました。
フルートを手に取ることにより、地震後始めて肩の力が抜け、気持ちが少し晴れやかになったのを覚えています。今まで歩んできた人生の中でこれほどフルートを吹くことにより慰められたことはありませんでした。

1ヶ月後、生徒さん方と再開した時の喜びは言うまでもありません。
皆さん緊張を強いられる大変な日々の中でもフルートのことを忘れず過ごしていてくださったのです。やはり僅かな時間でもフルートを吹くことにより、生徒さん方も束の間のホッとした時間を得ていたのだと思います。

苦難の中でも音楽はいつも心の支えとなってくれます。
フルートという楽器を通して音楽の素晴らしさを教えることが出来れば嬉しく思います。