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ジャック・カステレード(1929〜)は現代フランスの作曲家です。パリ音楽院でピアノや作曲、アナリーゼを学び、1953年にはカンタータ「パンドラの箱」でローマ大賞を受賞しました。 彼の作風は新古典主義的な傾向で知られ、いずれも親しみやすい作品となっています。あらゆる形式を用い、まれな組み合わせである声と楽器を意識的に用いた作品が多く発表されています。 この笛吹きの休日は、1946年に作曲された作品で、三重奏としても四重奏としても演奏することができます。 [ 第1楽章 ] 「笛吹きの牧歌」 さわやかな朝の田園風景の中で、あちらこちらから聞こえてくる牧歌を表現しています。 [ 第2楽章 ] 「笛吹きの楽しみ」 日が昇り、牧場で楽しく舞踏会をしている様子が、軽快なワルツに乗って描き出されます。 [ 第3楽章 ] 「夢見る笛吹き」 踊り疲れて眠りにつき、夢の中へと誘われていく様子が描かれています。 [ 第4楽章 ] 「軽快な笛吹き」 目が覚めて、宴を開き、軽快に踊りながら楽しい休日を過ごしている情景が目に浮かびます。 <演奏のポイント> 笛吹きの休日は、現代を生きるフランス人らしいユニークで愉快な曲に仕上がっています。 フランスで過ごすバカンスをイメージして作曲された風景が全曲を通してよく見られます。 曲全体の奏法に関しては、フレーズの頭と終わりの音がパート同士で重なる箇所が多いので、音程を注意すると良いでしょう。 2楽章は最後の部分の拍子感がずれやすいので、各自しっかりと把握して演奏する事を心掛けることが大事です。 3楽章は重々しくのっぺりとした音色で演奏し、[夢見る笛吹き]になりきりましょう。 4楽章は、3楽章とは対照的に、音を引っ張らず軽快に聴こえるように、フレーズの最後を軽く処理することを心掛けましょう。 各楽章のイメージをしっかりと持って、楽章ごとの雰囲気を大事に演奏してください。 |