❺構えた時の腕の位置

長年“脱力”を唱えてきた私(笑)。「なぜ腕は力を抜いてぶら下げて構えてはいけないのだろう」というのが長い間の疑問でした。「ヒジを張らなくても構えられるし、息も吸えない事はない。やる気なく見えるから?」

・・・偶然見たTV番組で、あるキャラクターが見事に解決してくれました!

『なぜみんな、カラオケで片手を振り上げるの?・・・下ろしていると声が響かないから!』身体は本当に賢くて、マイクを持つ手がどうしても脇をしめてしまうことを補って、より声が響くように反対の手を振り上げていたんですね!
そこで私達フルート奏者も、より積極的に腕の位置を考えなくてはなりません!今まで主に左右の“腕の自由さ”のために、楽器の筒先をやや左(正面に対して約45°)に出すように構えていましたが、それは“音”のためにも無くてはならないものでした。腕に伴って顔が左を向くだけで良いのに、今だに胴体もつられて左にねじれてしまう人がいます。楽器を左に振っている意味が全く無くなってしまうだけでなく、その位置で腕を体から浮かそうとすると腕の力で持ち上げなくてはならず、腕に更に余計な仕事が生まれてしまいます。上手に腕だけを左に持っていって楽器が構えられれば、自ずから腕は胴体から離れて、体全体に音を響かせる事が出来るでしょう 。