●スーパーウルトラベーシックエクササイズ

私のクラスでは少し前から「ほぼ毎月1つテーマを決めて、レッスンの最初の10分はそれに特化する」というやり方をとっています。ジョークで「スーパーウルトラベーシック(ものすごく基本的の意味)エクササイズ」と名付けました。小さなターゲットを1つひとつ積み上げていく気持ちで、姿勢、呼吸などを経て今、指への応用発展段階です。出来ても出来なくても、とりあえず次へ行きます。螺旋状に上達していこうというコンセプトです。その具体例を以下にご説明します。

使用テキストは皆様ご存知「タファネル&ゴーベール/17のメカニズム日課大練習」の第1番ですが、毎回、同じ音で始まる2段だけをピックアップして、次のレッスンまで特化して練習します。

1)手首、肩などを十分にほぐす。

2)鏡の前で、フォームをチェック。
そのまま笑うようなお腹を弾ませる息(ノータンギング)で、
・まずA2(2オクターヴ目のA)でウォームアップ
・続けてD3(3オクターヴ目のD)で同様に。

3)タファネル&ゴーベール第1番の最初のひと山の8つの音を歌うように(先ほどの響きを保って)モルトレガート。
無理がないように、1オクターヴ上げた、2オクターヴ目のDからスタートします。

4)この響きとフォームetc.を壊さないように保ったまま(これが重要!)、タファネル&ゴーベールの第1番の楽譜通りの音形で少しずつテンポを上げていく。
一応のターゲットは♩=120としていますが、目的は数字ではなく、必ず歌った音で吹けること。ゆっくりでも、例えばモーツァルトのAllegroの楽章のような性格で生き生きと楽しげに。真珠のネックレスに例えると、ゆっくりなほど音符は大粒で、質が問われます 。