OP以外の作品番号について

作品番号は作曲家の作品を年代順や出版順に付けておりopusはラテン語でOP.と略して、番号を添える方法が一般的です。バロック時代は出版業者が出版するときに付ける場合が多く、作曲家自身が一貫性をもって作品番号を付けるようになったのはベートーヴェンのころからでしょうか。それ以前の作曲家には後世の研究者による整理されたものが多く、代表的にはJ.S.BACHの作品にはシュミ−ダ−によるBWV(BACH WERKE VERZEICHNISの略)、MOZARTの作品にはKV番号が最も有名です。プログラムに記載したり、お買い物時に間違いのないよう、お役立てください。

作曲家名 作品番号 メモ
BACH,Carl Philipp Emanuel
Wq. ヴォトケン
Alfred Wotquenneが整理し1905年に出版したカタログの番号。
編成別年代順通し番号。
《例》 C.P.E.BACH Sonate G-Dur Wq.133 Fl. bc.
Sonate a-moll Wq.132 Fl. solo
H. ヘルム
E.Eugene Helm が整理し出版したカタログの番号。
編成別年代順通し番号。
BACH,Johann Sebastian
BWV BWV
1899年にバッハ全集を編纂する際に付けられた作品番号で、現在ではWolfgang Schmiederが引き継いで整理している。編成別通し番号。
《例》 J.S.BACH Partita a-moll BWV 1013 Fl. solo
BACH,Wilhelm Friedemann
F.(Falck) ファルク
Martin Falckが1913年に整理し出版したカタログの番号。
《例》 W.F.Bach Trio Sonate D-Dur F.47 2Fl. bc.
HANDEL,Georg Friedrich
HWV HWV
新ヘンデル全集が編纂されるに当たり、Bernt Baseltが整理し1984年に出版されたカタログの番号。Op.No.の方が一般的。編成別通し番号。
《例》 G.F.HANDEL Sonate e-moll Op.1-1a , HWV 379 Fl. bc.
Sonate e-moll Op.1-1b , HWV 359b Fl. bc.
HAYDN,Franz Joseph
Hob. ホーボーケン
Anthony van Hobokenが整理し1957年に出版したカタログの番号。
ローマ数字で編成、アルファベットが調性、次の数字が枝番。
《例》 F.J.HAYDN Die Londoner Trios Hob.IV:1-4 2Fl. Vc.
MOZART,Wolfgang Amadeus
KV(K.) ケッヘル
Ludwig Ritter von Kochel が整理し1862年に出版したカタログの番号。現在は第8版が最新で、版によっては番号が異なることがあるので注意を要する。場合によってはK(KV)の肩に版数が表示されていることもある。原則としては、作曲年代順。
《例》 W.A.MOZART Konzert G-Dur KV.313   Konzert D-Dur KV.314
QUANTZ,Johann Joachim
QV. QV
Horst Augsbachが整理し1978年に出版されたカタログの番号。
初めの数字が編成、次の数字が調性順の通し番号。
《例》 J.J.Quantz Konzert G-Dur QV5:174   Konzert G-Dur QV5:182
SCHUBERT,Franz
D. ドイチュ
Otto Erich Deutschが整理し1978年に出版されたカタログの番号。ベーレンライターの「新シューベルト全集」に対応しているが、Op.No.もよく使われている。作曲年代順で、後半に作曲年代不明の曲がまとめてある。
《例》 F.Schubert 「しぼめる花」による序奏と変奏 作品160(D802)
アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D.821
TELEMANN,Georg Philipp
TWV TWV
Martin Ruhnkeが整理し1984年から刊行中のカタログの番号。
ベーレンライターの「テレマン選集」に対応初めの数字が編成、
次が調性、最後が枝番。
《例》 G.Ph.Telemann 4 Sonaten
F-Dur TWV41:2 , B-Dur TWV41:B3 , f-moll TWV41:f1,
C-Dur TWV41:C2
VIVALDI,Antonio
Op. Op.(リナルディ)
ヴィヴァルディの生前に出版された曲集の作品番号を利用し、他の曲にもOp.No.を付けたもので、Mario Rinaldiによって1945年に出版されたカタログによるが、現在では使われていない。作品13まではオリジナル、それ以降は曲が所蔵されている図書館により番号を分けている。
P. パンシェルル
Marc Pincherle が整理し1948年に出版されたカタログの番号で、現在はあまり使われなくなった。ソナタは通し番号なし。コンチェルトは調性順に並べたあと、作品番号、曲集、所属場所などで分けて通し番号。
F. ファンナ
イタリア・ヴィヴァルディ協会とリコルディ社による出版に対応する番号で、Antonio Fannaによって1968年にたカタログが出版された。初めのローマ数字が曲種と楽器別、それを調性順に並べて通し番号。
RV リオム
Peter Ryom が整理し1974年に出版されたカタログの番号で、現在では最もよく使われている。ソナタ、室内楽は曲種、楽器の順で整理して通し番号。コンチェルトもヴァイオリンの調性での整理を除き曲種、楽器の順で整理し通し番号。
《例》 A.Vivaldi Piccolo Concert C-Dur Op.44-11.F.VI/4.RV443.P.79
Piccolo Concert C-Dur Op.44-9.F.VI/5.RV444.P.78