解説
同時代のA.ライヒャ、Fr.クーラウのトリオに肩を並べるこの 『三重奏曲』 はL. vanベートーヴェン (1770-1827) の管楽器室内楽曲でも特に有名であり、その原曲は彼が1794年に作曲した [Trio fur 2 Oboen und Englishhorn op.87] にあります。これは翌年に弦楽器用 (2 Vn. & Viola) としても編曲されました。更にこの曲は、1825年にはロンドンの出版社から編曲され 『フルート三重奏曲 ニ長調 作品87』 として生まれ変わりました。今回はそれを基に ZIMMERMANN 社で (W.Richter) の校訂により 「ロココからロマンのフルート」 作品シリーズの一つとして再版され甦り今日に至っています。一方、SMC社では新たな編曲 (A.J.Andraud) により総譜付きで 『大三重奏曲 ト長調 作品87』 として甦りました。いずれにしても同一曲であり、典型的な古典様式で書かれ、第1楽章は優美なソナタ形式第2楽章は美しい旋律のカンタービレ第3楽章は躍動的なメヌエット第4楽章は軽快なロンド形式です。何調でも、何度衣が変わろうとも、この名曲は 「大三重奏曲」 の名に相応しく、風格のある芸術作品には変わりありません。ふたつの調性 (D-dur, G-dur) に蘇った不滅の名曲です。(解説/佐野悦郎)ニュース
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