解説
この作品の成立には、少し複雑な経緯が絡んでいます。1894年に詩人ピエール・ルイスは 「ビリティスの歌」 と題された詩集を発表しました。紀元前6世紀のギリシャ女流詩人ビリティスの作として創作されたこの詩集には、古代ギリシャ文明の雰囲気の中で、恋とエロティシズムが歌われています。この詩集に触発されたドビュッシーは、まずソプラノとピアノのための 「ビリティスの3つの歌」 (1897) を作曲し、次いで12篇の詩朗読と室内合奏による舞台音楽 「ビリティスの歌」 (1900)を 作り上げ、その後、室内合奏版をもとにしてピアノ連弾のための 「6つの古代碑銘」 (1914) を完成させたのです。室内合奏版は、フルート2本、ハープ2台、チェレスタという編成で、大いにフルートの魅力を引き出した作品となっています。そして、「6つの古代碑銘」 をもとにフルートとピアノで演奏できるようにしたのが、この編曲という訳です。シンプルでありながら実にデリケートなこの作品には、詩的表現と音色への探求の尽きることのない、ドビュッシーの音楽の味わいがあふれています。(解説/三上明子)スタッフより
特撰コーナーにて取り上げています⇒ドビュッシー生誕150年「第4回 ビリティスの歌、牧神の午後への前奏曲」ニュース
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